大盤振る舞いのNHKクリエイティブ・ライブラリー

  • 2019年10月21日
  • 2019年10月21日
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NHKのウエブサイトの中で、「NHKクリエイティブ・ライブラリー」というコーナーがあります。
これは、NHKアーカイブスの番組から切り出した映像や音声のストックで、驚くことに、それを無料で使用できるというのです。
素材数はおよそ5300本あり、それらの映像素材はダウンロードができ、それらは創作用素材として利用が可能です。
つまり、NHK由来の素材を使って、編集したり、自分で撮影した映像や写真などと組み合わせて自分の作品をつくることができるということですから、これはすごいことです。

もちろん、利用にあたっては、ルールがあります。
https://www.nhk.or.jp/archives/creative/rule.html

動画製作者としては、「商用で使えるかどうか」がとても気になるところですが、
それはできません。

「(作品の)投稿にともなって投稿者に収益受け取りが発生する場合は認められません」

と記されていますから、収益化がされているYOUTUBEチャンネルでは使用できないことになります。
つまり、商用利用は不可、ということです。
このあたりについては、実は、「利用のルール(子ども向け)」というページの記述のほうが短くてわかりやすいかもしれません。

https://www.nhk.or.jp/archives/creative/rule_child.html

ルールはたったの4つ。短いので全文を引用します。

利用のルール(子ども向け)

NHKクリエイティブ・ライブラリーの「素材をダウンロード」ページから、映像や音声をダウンロードして使う時には、 次のことを必ず守ってください。

ルール①
ダウンロードした映像や音声を売ってはいけません。また、商品、サービス、や会社、団体などの宣伝目的に使ってはいけません。

ルール②
「NHKクリエイティブ・ライブラリー」からダウンロードした映像や音声であること、またはそれらを使って作った作品で あることを、ダウンロードした映像の中で表示してください。それができないときは、作品の最後や、作品の横など、わかりやすいところに表示してください。
なお、ダウンロードした映像の左上に付いている「NHK CREATIVE LIBLARY」のロゴマークを消さずにそのまま使う時には、このような表示はいりません。
また、その他に何か特別の表示しなさいと書かれている素材(NHK以外の人が作った映像や音楽など)を使う時には、書かれているように表示をしてください。
表示の方法はこちら

ルール③
映像や音声を作った人(NHK、その他の著作者)をはじめ、他の人の悪口を言ったり評判をおとしたりするような使い方を してはいけません。

ルール④
あなたが「NHKクリエイティブ・ライブラリー」の映像や音声を使って作った作品をほかの人にも使ってもらう時には、この利用のルールが書いてあるインターネットのURL(www.nhk.or.jp/archives/creative/rule.html)をあなたの作った作品といっしょに表示して、他の人にも守らせるようにしなければなりません。また、ここにかかれてあることと違うルールをつけることはできません。

このページは、「利用規約」のポイントを、子ども向けにわかりやすく記したものです。
創作用素材を利用するときは、必ず詳しい「利用規約」を読んでください。

あと、大人向けとしては、政治利用の禁止も記されています。

営利・政治目的での利用の禁止
創作用素材または自分の作品を販売したり、有料で頒布・貸与・公開したりすることを禁止します。また、公開することで収益を受け取ることはできません。商品・サービスや企業・団体などの宣伝目的、政治活動・選挙運動などのために利用してはいけません。

ということで、商用で利用することはできませんが、自分の作品の素材としては使えることになります。

年代別や空撮、動物ものの動画がすごい

今、NHK以外でも動画素材をダウンロードできるサービスはたくさんあります。
無料からスタートして、やがてサブスクリプション課金がされるというパターンがほとんどですが、多くの種類の動画が、そういったところで手に入ります。プロのカメラマンの手によるクオリティの高い動画素材もそこにはたくさんあります。

では、NHKクリエイティブ・ライブラリーはどこがすごいのか?

年代別の映像素材

「これはNHKならではだ」と思うのが、年代別の映像素材です。
アラスカのオーロラにせよ、サハラ砂漠にせよ、お金をかければ、今でも自分で撮影することができます。しかし、たとえば、白黒しかない1960年以前〜60年代の動画映像は、今、どんなにお金を払っても新規撮影することはできません。
そして、そういった映像は、数多くある動画ダウンロードサービスでもほとんど見つけられません。

たとえば、こちらはテレビのカラー放送が始まった昭和41年、そのカラーテレビのことを報じた「白黒映像」です。

※この動画の場合、「NHK CREATIVE LIBLARY」のロゴマークが左上に入っているので、特段の著作権表示はいりません。

日本の四季や空撮映像

多くの動画ダウンロードサービスは、海外のサイトです。
掲載されている映像は海外の景色や景観が多くなるのは当然のことです。
つまり、日本の景色とかはあまり入手できないのです。
その点、NHKのアーカイブならば、日本の四季、日本の空撮といったジャンルがあり、これは使えます。
たとえば、こちらは「日本の四季」カテゴリの静岡の茶畑の空撮動画です。

他にも、「哺乳類」「爬虫類・両生類」「昆虫」といった生き物カテゴリ、「環境問題」や「天体・宇宙」を扱った地球・環境カテゴリなども、NHKならでは、といった映像を見つけることができます。

前述しましたが、商用利用は不可です。
ただ、営利を目的としない自分の作品では使えますので、「利用のルール」をよく読んで上で、使い倒しましょう。